磯と魚の写真
秘孔!!中国三千年
釣り名人鍼灸師 宮原赤竿のツボ講座 
三度の飯より釣り好きの鍼灸師、宮原赤竿先生が、
鍼をペンに持ち替えて、『週刊釣りサンデー』誌に連載した、
釣師のためのツボ講座「秘孔!!中国三千年」。
著者と出版社のご了解を得て掲載します。

読む指圧、まずやってみましょう。
(次回掲載は5月15日頃の予定です)

第2回

釣りの立ち疲れ足腰背中パワー一発

■立ってアタリを待っているとしゃがみたくなるし、しゃがめばしゃがんだで脚が痛いし、立ち上がれば腰がイタタタ!だ。

 釣りから帰って、あなたは何日後から体が痛いですか?若い人は翌日には前日使った筋肉痛が出ます。でも40歳を過ぎたら2、3日後に疲れや体の痛みが出てくるものですよねえ。風邪をひくのも2、3日後ですからねえ。
 海という大自然の体を癒す力が釣り人に浸透して、海に行き釣り場に立ったときは、確かに元気です。
 無口の人も多弁に、筋力のない人も変に力がわくものですねえ。
 海には「陽」の力があるといわれています。じゃあ「陰」はというと山や川でこれらは陰性の力です。陰と陽は裏表、内と外、前と後ろ。同じようで同じでないものの例えと思ってもよいと思います。
 目に見えるものでも陰と陽に分けることができるのです。たとえは男は陽で女は陰、といえばお分かりになりますかねえ。男も女も同じ人間ではあるけれど、まったく同じではないですよね。そんな分け方をするのです。
 もっと分かりやすくいえば、陰は余分なパワーを抜く力、陽はパワーアップさせる力です。海は陽。山や川は陰。海には潮(塩)があり、山や川には水があります。
 海の潮は人を元気にするパワーがありますよ。微熱があっても、海にいる間は変に元気ですが、一歩我が家に入るだけで、ガクンと力が抜けます。女房がいるからでしょうか?
 話を元に戻しましょう。えー、動物の体で話をしましょう。うーん、馬を使いましょうか。馬は四つ脚で立ちますねえ。前脚、後ろ脚の計4本。
 真上から太陽の光を当てるとしましょう。背中、肩や首は太陽の光が当たりますが、腹や胸は当たりません。そう、太陽の光が当たるところを、陽の部分と考えればいいのです。
                  ♂♀♂
 その陽の部分にパワーを入れたいとき、この穴(ツボ)を使いましょう。「足の三里(さんり)」です。「足(脚)の」というからには、「手(腕)」にも三里という穴があります。特に「足の三里」は歩いたり、長<立ったりしたときに使う筋肉のところにあるので、脚を中心とした筋肉の疲労や痛み、シビレなどにも効果の出る穴であります。
 「股引きの破れをつづり笠の緒をつけかへて 三里に灸すうるより 松島の月まづ心にかかりて…」松尾芭蕉が『奥の細道』で記した、深川の庵から旅立つ冒頭の部分です。
 吉田兼好の『徒然草』の中にも出てきますし、貝原益軒80歳のときに書き上げた『養生訓』の中にも同様に「足の三里」が出てくるのです。
 「足の三里知らざれば医者といわず」
 これ私の句。
 この「足の三里」は、昔から健脚を守る日本人の大切な穴として知られていたのですねえ。
 「足の三里」は胃の穴としてもグーですよ。
 人を立たせて、バリウムを飲ませ、「足の三里」に鍼をすれば、なんと胃と腸が踊るのが分かります。胃壁がボコボコと、動くのです。そう、一瞬にして胃が活動を始めるのですよ。胃がもたれた感じのときは一発です。 それに上気といって、顔がほてったり、ボーッと頭がのぼせるときなど、「足の三里」を刺激すれば、スーッと治まります。だからノイローゼであっても効く穴といわれています。
 「三里の灸を絶やさざれば無病息災なり」と昔々から伝えられたことが、本当のことであったと、現代医学でも証明できるようになりました。
 めでたし、めでたし。
                 ♀♂♀
 さあて、場所をお教えしましょう。脚の脛骨(すね)を下から指でさすり上げてきて、指の止まるところから、外側へ2〜3pのところですよ。
 前脛骨筋の筋中にあるので、足の指や甲を上に引き上げるとき、盛り上がる筋肉の中にあります。
 磯や堤防で立っているときに、一、二度ここを押して、足の甲を上下するだけ。で脚全体の疲れがとれてくるのですから不思議。
 そうですね、クーラーボックスに座り(腰かけて)左手の人さし指でこの「足の三里」をゴリゴリと押し足の関節から下の足の指や甲を、上げたりストンと落としたりすれば、立ち上がったときには腰や背中のコリ、疲れも軽くなっているものです。
 こんなときに魚がヒットするんですねえーっ。
 右手に持った竿をグンと後ろに振って合わせようとして、パラパラパラ・・・。
 そう左手は穴刺激中。左手でリールのべールを戻すのを忘れちゃって…。
 やらかすんだなあ、これがまた。
 道糸がダラリと垂れ下がり、後からリールを巻いても、もうダメダメね。
 「足の三里」は、魚のアワセには効きません。
 穴刺激の仕方は、指先でグーンと押し、グリグリと前後に動かすことと、先ほどの説明のように、かかとを支点に足の親指を引き上げるようにすると、もっと「足の三里」を刺激することができます。
 百円玉や十円玉を使ってゴリゴリと穴を押し込むのもよいでしょう。
 穴に当たっているかどうかは、体が教えてくれるはずです。
 気持ちがよいときは、ちょうどよい刺激量。痛みを強く感じすぎるときは、刺激量オーパーです。
 「足の三里」の下には、「上巨虚(じょうこきょ)」「条口(じょうこう)」「下巨虚(げこきょ)」という穴が並んでいますので、ゆっくりと筋肉に指を当て、下へ下へと押していくことも、効果が上がる方法といえます。
 釣果が上がるか否かは、週刊釣りサンデーをご熟読あれ。


*「足三里」の参考図はこちら



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